■開業1周年、新たな東京の玄関口 エリアが一体となって街を育てる
≪STORY≫
東京の新たなシンボルタワーとなった虎ノ門ヒルズ(東京都港区)が11日、開業1周年を迎える。周辺の新橋・虎ノ門エリアはビジネスの中心街として日本の高度成長を支えてきたが、近年まで機能更新が進まず、他のビジネス街に後れをとっていたのが現状だ。そんな虎ノ門に活気を取り戻す起爆剤として、森ビルが開発に力を注いだのが虎ノ門ヒルズだ。2020年東京五輪開催を見据え、「国際新都心」を目指す虎ノ門が大きく変貌しようとしている。
超高層棟は都内で2番目の高さを誇る。地上52階建てのビルにはホテル、住宅、オフィス、カンファレンス、商業施設の機能が1棟に集約されている。森ビルがこれまで手がけた六本木ヒルズなどとは異なる複合型機能を持つビルだ。
実は、森ビルにとって虎ノ門の再開発には特別な思い入れがあるという。森ビルの代名詞でもあり、ビルに数字を冠した「ナンバービル」。今も周辺にナンバービルが集積するこの地は、森ビルがかつて本社を構えた創業の地でもある。
虎ノ門ヒルズは、従来の高層ビルと構造面で大きく異なる特徴を持つ。ビルと道路が一体開発され、ビルの真下には虎ノ門と新橋を結ぶ「幻のマッカーサー道路」と呼ばれる環状2号線(新虎通り)が通っている。元々は1946年の都市計画で道路になることが決まっていたが、地元住民らの合意形成が進まず、手つかずになっていた土地が60年の「空白」を経て再開発されたのだ。
再開発への転機となったのが、1989年の「立体道路制度」の制定だ。同制度により、本来は道路の上に作れない建物を建てられるようになった。道路建設と合わせて、地元の地権者は転居先に建物を選べるため、転出せずに住み続けることもできる。