酒類大手のオエノンホールディングスは、主力の苫小牧工場(北海道苫小牧市)で生産する工業用アルコールの道外向け出荷をトラックからタンカーによる海上輸送に切り替える。人手不足で北海道からのトラック輸送コストが高騰していることに対応する。
年内にも清水工場(静岡市清水区)に工業用アルコールの貯蔵設備を新たに設け、タンカーで苫小牧から清水に運び、清水からトラックで出荷し、物流コストを削減する。
苫小牧工場ではバイオエタノール製造設備を転換し、工業用アルコールの増産に取り組んでいる。最新設備のため生産コスト面での競争優位性はあるものの、北海道から日本全国への配送のコストの高さが問題となっていた。
清水工場に設置する新貯蔵設備は数億円の投資となるが、年間1億円超の物流コスト削減が可能で、短期間で投資を回収できる見通しだ。さらに、清水工場の設備刷新や増強についても検討に入っている。