日本人の朝食と言えば、ほとんどはご飯かパンのいずれかだろう。「かっぱえびせん」「じゃがりこ」などで知られるスナック菓子最大手のカルビーが、その朝食の分野でグラノーラをご飯やパンに次ぐ「第3の朝食」として定着させてきた。そんなカルビーが第3の朝食で新戦略に打って出る。
グラノーラとは、シリアル食品に属し、穀物を焼き固めた食べ物を総称だが、カルビーが手がけるグラノーラの中核商品「フルグラ」(フルーツグラノーラの略)の平成27年3月期売上高は、前期比51%増の143億円と飛躍的な伸びを記録し、同社の好業績を牽引する役割を果たした。このことが、新戦略に踏み出す決断を後押ししたと言えそうだ。
カルビーの松本晃会長兼CEO(最高経営責任者)は「日本のシリアル食品の市場規模は、長らく250億円程度といわれてきたが、今後、高い成長を続けて3年後には1000億円規模に到達する可能性がある」と予測する。こうした成長見通しの原動力と言えるのが、グラノーラだ。特にそのグラノーラがもつ健康効果だ。その一つが塩分摂取を抑える働きといわれる。
東京女子医大の渡辺尚彦教授は「フルグラ50グラムあたりの塩分量は0.2グラムと少なく、これを朝食に取り入れることで大きな減塩効果が期待される」と説明する。