視界の中で、何がどこにあるかを無意識のうちに認識し重要なものに素早く目を向ける-。そんな人間の基本的な「視認行動」に、大脳の中の構造体(尾状核尾部)の働きが深く関係していることが、国立研究開発法人・産業技術総合研究所の研究で明らかになった。
産総研はこの仕組みを応用、「どこを見ているか」を調べることでパーキンソン病などの診断に役立つとしている。
産総研は2008年から米国で、生体脳を使った実験を実施。尾状核尾部が、何がどこにあるかを0.1秒ほどの瞬時に判断し、過去の経験に基づいて何が重要かを認識し対応する働きを突き止めた。
そのメカニズムで神経伝達物質であるドーパミンが分泌されることも分かっており、ドーパミンの不足で起きるパーキンソン病の診断に際し、画像を示して「どこを見ているか」という目の動きを追うことが効果的であるとしている。
産総研の山本慎也・システム脳科学研究グループ主任研究員は「目の動きはパーキンソン病などの精神疾患や神経疾患の診断にもマーカーとして将来活用できる可能性がある」と話している。