【高論卓説】自動走行官民プロジェクト クルマの本質的な競争力鍛えろ (1/2ページ)

2015.7.21 05:00

 「『日本再興戦略』改訂2015」が6月30日に閣議決定された。「稼ぐ力」を引き出す企業行動を促し、ITを駆使した生産性の向上が重点課題に挙がる。その中で、東京五輪が開かれる2020年までの成長戦略を加速化させる「改革2020」と銘打った官民プロジェクトが決定され、次世代都市交通システム(ART)や「ラストワンマイル」など自動走行を生かした新技術を推進する考えだ。

 ARTを東京五輪までに東京臨海部で実現するため、国は東京都と具体的な路線検討に入る。ラストワンマイル自動走行とは、希望する方面に向かう先導車が近づくと、高齢者など車椅子利用者の車両が自動で先導車に追従し、目的地が近づくと自動で分離、停車するというシステムだ。完全自動走行に一歩近づくシステムとして注目される。

 情報通信や人工知能技術と融合し、30年にも完全自動走行を取り入れた新たな社会システムが構築されるといわれる。この技術革新は、半導体、電子部品、電池、素材などのさまざまな産業の活性化につながる可能性を秘めており、将来の国際競争における活力の源といえるだろう。

 いうまでもなく、現在の日本経済は自動車産業に大きく依存する。14年の貿易赤字額は12兆7813億円に拡大、赤字に転落した11年から瞬く間に巨額になった。自動車産業は日本の貿易黒字の半分を稼ぎ出している外貨稼ぎの最後の砦(とりで)だ。自動車産業の国際競争力が持続できている間に、将来の盤石な競争基盤を早期に構築していかねばならない。

 「稼ぐ力」とはアベノミクスのキーワードの一つである。未来に向けた成長戦略を企業は模索し、その帰結としての「稼ぐ力」の向上が目指されている。しかし、「稼ぐ力」と「競争力」とが必ずしも一致しないことを感じさせるのが、現在の自動車産業の姿だ。世界的な競争力が不十分と感じるにもかかわらず、収益性だけは高い。

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