■NICTが実証実験 降雨分布3D表示も
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、フェーズドアレイ気象レーダーで観測される3次元降雨情報をリアルタイムに処理し、スマートフォンアプリに配信する実証実験を7月21日から10月30日まで行うと発表した。無料アプリ「3D雨雲ウォッチ~フェーズドアレイレーダ~」のアンドロイド版をリリースしたほか、iOSおよびアップルウオッチにも8月以降対応予定。レーダーは大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)に設置されたもので、今回の実証実験では、同市を中心とした80キロメートル四方のエリアが対象となる。
3D雨雲ウォッチでは、ユーザーの現在地またはユーザーが登録したMY地点(8月中旬対応予定)の10キロメートル四方の範囲において、上空にたまる雨量がしきい値を超えた場合、2、3分以内にプッシュ通知によって「この後、バケツをひっくり返したような豪雨の可能性がありますので、ご注意ください」などと知らせる。
NICTによると、フェーズドアレイレーダは、30秒間隔で詳細な3次元降雨分布を観測することが可能。ゲリラ豪雨が地上に達する10~15分前に上空に現れる「ファーストエコー」(ゲリラ豪雨のタマゴ)が成長する様子や、集中豪雨をもたらす複数の積乱雲の振る舞いなどの調査・研究、短時間予報実験、自治体へのリアルタイムデータ配信実験などに使われているという。