大阪シティ信用金庫前城東支店長藤原正典氏【拡大】
□大阪シティ信用金庫 前城東支店長・藤原正典氏
■取引先の収益力見極め事業支援
大阪シティ信用金庫の城東支店(大阪市城東区)で7月まで支店長を務めた藤原正典氏は、不動産関連の融資を推進する際には顧客の将来まで見越したトータルな提案に努めている。
ハウスメーカーなどが積極的に営業を展開していることもあり、相続対策として収益物件の取得や建設を望む富裕層も少なくない。こうした顧客にも物件の規模や価格、顧客の資産全体から見た投資額などが適正なのか、25~30年といった超長期の借り入れに問題はないかなどを確認し、提案に反映させる。
資産全体を見直しながら提案を行うため、他の金融機関から事業資金を借り入れていた取引先や、他の収益物件で他行のローンがある顧客について、資金繰りの改善や返済の効率化などを切り口に、借り換えまで結びつくケースも多いそうだ。
一方、事業支援では取引先の現状を踏まえた上で金融のプロとして可能な支援に注力している。景気は緩やかな回復基調とされるが、中小企業は厳しい状況が続く。業種によって差はあるものの、積極的に借り入れをして設備更新や新事業を展開する余裕がある企業は多くない。