造船重機大手5社の2015年4~6月期連結決算が4日、出そろった。円安効果に加え、航空機や船舶海洋事業、プラントなどの社会インフラ事業の受注好調で全社とも増収だった。しかしIHIと三井造船の2社は海外工事案件で追加費用が発生し最終赤字に転落した。通期見通しは、全社とも増収増益を見込む。
三菱重工業は米ボーイングの民間航空機「777」「787」の部材や液化天然ガス(LNG)運搬船の受注好調や円安効果が寄与し、増収増益となった。
川崎重工業も同777、787向け部材やガスタービンの受注増が好業績に貢献。住友重機械工業は精密機械や産業機械の受注が伸びて増収増益を確保した。
一方、IHIはシンガポールの海洋資源会社向けに建設中の掘削船の船体工事で図面のやり直しや、それに伴う工事遅延による追加費用の発生で最終赤字を余儀なくされた。これにより通期見通しも下方修正した。
三井造船も米国で建設中の化学プラントで追加損失が発生する見込みとなり最終赤字となった。4~9月期見通しは下方修正したが、通期は期初予想を据え置いた。