イラスト=さかもと未明【拡大】
いよいよフォーマルシリーズも佳境。今回は昼の「正礼装」のモーニングです。
フォーマルの「略礼装」「準礼装」「正礼装」と、格上の装いが必要になるってことは、オトコとしての世界が広がるってこと。時々ネットとかに「モーニングは、大きな葬式の喪主をしたり、勲章でももらわない限り、まず着ないので必要ない」みたいに書かれてますけど、もしかして勲章もらう人生になるかもしれないじゃないですか!! そういう「大志」を持ち、正礼装について知って下さい●
さて「モーニングコート」とは、もともとイギリス貴族が朝の習慣である乗馬の時に着た服装。そのまま宮中に上がれる格を備えつつ、乗馬の邪魔にならないよう、上着の前裾を斜めにカットしたのが発祥といわれてます。
そんなわけで上着は「カッタウェイ」といわれる斜めのラインが後ろの膝丈まで続き、背中心には腰のところから長いベントが作られています。前はシングルブレストのみでピークトラベル。この上着にコールズボンを合わせます。裾はシングルで「モーニングカット」といわれる斜めにカットされているもの。
この上着、黒が基本みたいですが、グレーもあり。私的にはチャコールグレーなんて着こなしてほしいなあと思いますね。朝の装いなんだから、真っ黒より素敵だと思います。華やかな式典の時で、少し遊びが許されるような立場なら、明るめのグレーもありじゃないですか?