【フロントランナー 地域金融】大阪シティ信用金庫・藤原正典氏(最終回) (1/2ページ)

2015.8.11 05:00

 □大阪シティ信用金庫 前城東支店長・藤原正典氏

 ■業績向上の近道は「人」の育成

 大阪シティ信用金庫の城東支店(大阪市城東区)の担当者が新規取引先を開拓するため、ある企業に熱心に通っていたときのことだ。その企業は工場の敷地が借地で、地主から「土地を買ってくれないか」と打診されているとの情報をキャッチした。確認してみると、メーンバンクに相談したものの反応が悪く、企業は頭を悩ませていた。

 当時、城東支店の支店長だった藤原正典氏は報告を受けた翌日、その企業を担当者とともに訪問。支店長が直接話をすることで本気で相談に乗る姿勢を示した上で、土地の購入によるメリットやデメリット、資金負担などを丁寧に説明し、企業側の不安を解消していった。案件が具体化すると、融資の回答をメーンバンクよりも早く伝え、半年がかりで成約につなげた。

 相手に関心を持ってよく知ろうとする動き(情報力)、検討段階から相談に一生懸命に乗る姿勢(真摯(しんし)な姿勢)、そして素早い融資対応(スピード)。これらを実践することで、新規取引先から大きな信頼を獲得したことは言うまでもない。

 「業績を上げる近道は『人』を育てること。能動的な担当者を育てるため私は結果にこだわる。良い仕事をしてお客さまの満足を得られれば必ず成果がついてくる。プロセスを認めることも大切だが、成果が出ないなら、結果から逆算することでプロセス上の問題も見えてくる」

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