■フロンティア・マネジメント 松岡真宏
1980年代後半から始まった製造業のアジア進出と比べ、21世紀に入って増加した消費関連やサービス業のアジア進出は必ずしもうまくいっていない。典型的な事例は流通業のアジア進出であり、特に中国でのパフォーマンスが芳しくない。
中国では毎年チェーンストアの売り上げランキングが発表される。入手可能な2013年の資料によると、売り上げトップ50社の中に日本の流通業は1社もランクインしていない。
日本の流通業からみると、中国の店舗オペレーションの評価は低い。お客さまに「いらっしゃいませ」と笑顔であいさつができず、ホスピタリティーがない。だから日本流の接客マナーを取り入れればビジネスとして成功するとの仮説を持って、90年代後半から総合スーパーや百貨店が中国市場へ参入した。一部のメディアでは、日本流の接客スタイルを記事や番組で取り上げ、日本の流通業の中国における善戦を伝えた。