イラスト=さかもと未明【拡大】
いよいよ、夜のフォーマル最上級「テイルコート」です。夜のパーティーで「WHITE TIE」と記述されていたら、このスタイル。いわゆる「燕尾服」ですね。
◆一級のパーティーに
「いまどき社交ダンスのパーティーぐらいでしか必要ない」なんていう人がいますがとんでもない! ブラックタイのタキシードなんかじゃ通用しない、一級の式典やパーティーにどんどん出ていってこそ、真の国際派ビジネスマン。テイルコートは社交の世界への入場券なんです。着こなしについて知らないなんて、もうあり得ません。
テイルコート用には上着と同色の側章(両脇の飾りテープ)入りのパンツをはきます。この側章、タキシードの時は1本でしたが、燕尾服は2本。さらにハイウエストでシングルのモーニングカットでなくてはいけませんから、タキシードのものとは別誂(あつら)えしないと駄目ですね。
ジャケットの色は黒かミッドナイトブルー。このミッドナイトブルーが、シャンデリアの下では光って華やかに見えるので、私的にはおすすめ!! 襟は拝絹のピークトラペル。前ボタンはかけません。その中に襟付きのウエストコート(べスト)を着ます。シングルでもダブルでもいいですが色は白。想像するだけで華やかです。
シャツも今までとは少し違い「イカ胸」といわれるヒダなしの切り替えのついたドレスシャツを着ます。前タテは比翼がスタッズで留めます。襟はウイングカラー、カフスは基本シングルです。
タイはホワイトタイというくらいですから、白のピケしかあり得ません! サスペンダーも白ポケットチーフも白のピークトラペル。カフリンクスは台座がシルバーで白蝶貝やパールなど白をします。金の台座はなし。これに白の手袋をしてシルクハットをかぶり、腕時計は絶対なし!! 懐中時計をご用意ください。これもほかのアクセサリーにそろえて、銀がよろしいかと私は思います。