□日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎
第44回東京モーターショーが東京ビッグサイトにて開幕した。東京モーターショーの経緯を振り返ると、第1回は1954年に日比谷公園内にて開催したようだ。その後、年々人気が上昇し、最盛期は91年で、来場者数約202万人に達した。2009年にはリーマン・ショックもあり約64万人にまで減少したが、直近の13年には約90万人まで回復している。会場も日比谷公園から幕張メッセ、そして最近は東京ビッグサイトと変遷した。10月28日のプレスデーに参加したので、感じたことをいくつか取り上げてみたい。
◆少ない海外参加企業
会場を回って改めて思うのは、日系自動車メーカーは頑張っているものの、海外からの参加企業は極めて少ないということだ。ある意味ローカルモーターショーに近い。米国勢のゼネラル・モーターズ(GM)、フォードは参加せず、クライスラーはジープのみをフィアットと同じブースで展示している。以前展示のあったテスラ・モーターズも今年はない。ドイツ勢以外はプジョー、シトロエン、ルノー、アルファロメオが僅かのスペースで展示されているのみで、ボルボや中国、韓国メーカーの姿もない。
各企業が展示ブースを設置するか否かを改めて考えてみると、そこにマーケットがあるか否かが判断基準となるのであろう。コンセプトカーなどによる将来動向、技術展示の面もあるが、費用対効果を考えるとマーケットドリブンではなかろうか。
そのように考えてみると、2014年に約2350万台販売した中国では、今年4月開催の上海モーターショー出展企業は約2000社に上る。では東京モーターショーはといえば、出展はしないが、テクノロジーの動向調査のためデザイナーや技術者を派遣するとの位置付けであろうか。