手ごろな価格で人気を集めてきた回転ずしが変わりつつある。店内をぐるりと回るレーンをなくし、コース料理を出す店舗が登場。注文の品をレーンで届ける方式や、食後にコーヒーも楽しめるカフェタイプが増えており、店舗網は郊外から都市部へとシフトし始めている。客層を家族連れから、都市部の女性、若者にも広げるのが狙いだ。
午後7時の東京・赤坂。仕事帰りの女性が革張りのソファに腰掛け、ワイン片手にコース料理を楽しむ。出てきたのはすしのフルコース。スプーンで食べる一口大のすしや手巻き風すしが皿に並ぶ。
「これまで、おすしをあまり食べてこなかった人にも楽しんでほしい」
あきんどスシロー(大阪府吹田市)が今春開業した新業態店「ツマミグイ」に料理を運ぶ回転レーンはない。客1人当たりの売り上げは4千円程度と、同社が約400店展開する回転ずし店の千円強を大きく上回る。現在は東京都内に3店だが「将来は大阪など他のエリアでも検討したい」と意気込む。