□取締役営業本部長・熊谷俊己氏
■新工場建設 最大級の生産体制
サミーでは、どのような環境の変化にも柔軟に対応できる適応性をもって成長し続けるために、組織体制や人事制度など、果断に改革を進めている。また、成長をさらに確実なものとしていくために、質の高い協調性を図ることで強靱(きょうじん)な企業体質を構築することを目指す。ここでは、モノづくりを支える製造部門の取り組みを紹介するとともに、市場と企業をつなぐ営業部門の活動について、熊谷営業本部長に話を聞いた。
◇
サミーは2001年の東証1部上場後、同年4月に埼玉県川越市に当時最新のシステムを備えた工場を竣工(しゅんこう)。その創造的な外観デザインは、「2001年彩の国さいたま景観賞」を受賞した。
さらに12年には、製品の発売初期段階に集中する遊技機の需要に的確に応える目的で、最新鋭の設備を誇る川越工場を新設。日産・定時でパチンコ5000台、パチスロ2500台という業界最大級の生産体制を実現した。
1分間に134本ものくぎを打つ性能を有した「くぎ打ち機」の導入をはじめ、画像検査装置も随所に配置するなど、高品質な製品づくりの維持・向上を実現するほか、セキュリティーシステムについても、屋内外に防犯カメラを80カ所以上設置し、万全の体制を整えた。
また、新工場の隣接地には物流センターも新設。保管能力の拡張・在庫管理の集約による生産流通体制の効率化を図っている。一方、同社はJIS規格を基に、独自の徹底した試験項目を定め、評価試験を実施。検査結果を開発部門へフィードバックすることで不良率の低減に努めている。なお、品質問題が発生した際は、定められた規定に基づき、顧客重視の迅速な対応と適時情報開示を徹底している。