【知恵の経営】スタッフ大切にする美容室 (1/2ページ)

2015.12.9 05:00

 □法政大学大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

 札幌駅から車で10分ほどの住宅街の一角に「うやまビューティーサロン」という美容室がある。本店の他市内に3店舗と北海道神宮内結婚式場の美容室を預かる。同神宮での美容室運営は北海道中の美容室の憧れだが、神宮からの指名で決して規模が大きくない同店が一手に引き受けているからすごい。

 その理由は、同店の経営母体であるウヤマ(札幌市北区)の創業者、宇山照江氏が愚直一途に美容室を経営してきたからといっても過言ではない。

 創業は53年前の1962年。東京や札幌市内での厳しい修業を終え、故郷に帰り開店した。創業の地は自宅を改造したわずか5坪(約16.5平方メートル)の店。「地域社会に貢献する美容室になる」を目標に掲げ、まだ徒弟制度が幅を利かせている中、スタッフ側に立って賃金や福利厚生の制度を整備した。

 宇山氏自身は修業時代、さまざまなつらいこと嫌なことを経験したが「将来開店したら、やってほしくないこと・言ってほしくないことは決してしない、してほしかったことをトコトン実行する」と心に誓ったという。

 急成長・急拡大を戒め年輪経営に努め、サービス面で常に「本日開店の心」で接客してきた。業界では一般的にスタッフの独立志向が強く、顧客の満足度との両立が難しいといわれる中、見事な経営である。

 なぜ評価が高いのか。それは宇山氏抜きでは考えられない。エピソードを2つ紹介しよう。

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