三菱ケミカルホールディングスが、時価1千億円相当の持ち合い株を2~3年かけて売却することが21日、分かった。売却で得た資金を炭素繊維など成長事業への投資に充てる。大手銀行が持ち合い株の売却を本格化する中、事業会社も持ち合い株解消に動き始めた。
三菱ケミカルは現在、約2400億円相当の持ち合い株を保有し、うち4割強を手放す方針。主力取引銀行の三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融機関11銘柄や傘下の事業子会社の取引先を中心に保有している。
銘柄ごとに株式の保有が事業に好影響を与える度合いを精査。取引実態に応じた水準まで保有株数を段階的に減らす方向だ。今後、保有先と合意できた銘柄から売る。
三菱ケミカルは平成28年度から始まる5年間の中期経営計画で、M&A(企業の合併・買収)や設備投資、研究開発に1兆7千億円を充てる。