「環境性能課税」 日欧EPA交渉の新たな火種に 欧州メーカーに不利?

2016.1.11 09:30

 政府が平成29年4月に導入する自動車購入時の「環境性能課税」が、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉に影響する可能性があることが10日、分かった。欧州車メーカーが導入によって日本市場で不利になる恐れを指摘。日本側は「税制は内政問題」との立場だが、激しい駆け引きが続く交渉の新たな火種になる恐れは大きい。

 現行の自動車取得税に代わって導入する環境性能課税は普通車で税率を購入価格の0~3%の4段階に設定。燃費が良い車種ほど税率が低くなり、政府が定める32年度の燃費基準を10%以上上回る車種は非課税になる。

 ハイブリッド車(HV)やクリーンディーゼル車など環境対応車は税金がかからず、27年4~8月に販売した新車の約半分が非課税。だが、一部のスポーツ用多目的車(SUV)は自動車取得税よりも税率が上がるうえ、政府が同時に引き上げる予定の消費税10%を合わせると最高13%と大きな負担になる。

 欧州車メーカーは国産メーカーと同様に環境対応車に注力するが、「欧州の燃費の測定法で性能を発揮するよう開発するので、非課税の車種の割合は日本車と比べて少なくなる見込みだ」(輸入車業界関係者)。

 EPA交渉で、EUは日本車に課している10%の関税撤廃を検討する代わりに、輸入車関税のない日本に対して安全基準の調和など非関税障壁の撤廃を要求している。環境性能課税も非関税障壁としてやり玉にあげ、農産品の関税撤廃や公共調達市場の開放などで日本への要求を引き上げる恐れがある。日本側は「公平な競争条件の確保を理由に一層の譲歩を迫られる」(業界関係者)と、28年早期を目標とする交渉妥結のハードルが高くなることに警戒感を強めている。

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