スマートフォンで手配した配車サービスの車内。従来型タクシーと比べ清潔で、安心感も高かった=1月、中国・上海(和田憲一郎氏提供)【拡大】
□日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎
米国シリコンバレー発の新ビジネスで、世界各地にて流行しているものがある。ビッグビジネスとなり、有名かつ物議を醸しているのが「UBER(ウーバー)」であろうか。
日本では2015年3月に国土交通省が「自家用車による運送サービスは白タク行為にあたる」として、運行中止に至っている。今回、中国出張の際、初めてウーバーと類似の配車サービスを体験する機会があったので、そこから見える新ビジネスのあり方について取り上げてみたい。
海外で移動するとき、タクシーに乗って、ぞっとした経験を持つ方は多いのではないだろうか。とにかく、古くて汚いクルマ、危険な運転、不明瞭な料金(平気で遠回りする)など、不満を挙げると、きりがない。
それに対抗して生まれたのがウーバーである。なかなかつかまらないタクシーに対し、もともとはドライバーが空いた時間に自家用車で運送サービスを行うシステムである。日本でいえば白タクに当たる。中国の当局も日本と同様に白タクの問題を懸念している。
つまり、ウーバータイプの配車サービス運営にあたっては、事前に営業許可を得ること、および営業許可を持っていない自家用車で乗車サービスを提供することは禁止するなど、白タク対策が講じられている。
今回、上海の中心部から少し離れた場所に行った際、帰りにタクシーが来ないため、同行していた人にお願いし、初めてウーバータイプの配車サービスを体験してみた。
上海の場合、ドライバーは素人ではなく、配車サービス運営会社で契約もしくは雇用された人である。聞いてみても、車両は自家用車ではなく貸与されている。日本でいうハイヤーに当たる。