「相談に乗った選手が強くなると、まるで自分のことのようにうれしくなります」と話す露木慎吾さん【拡大】
サングラスを販売する、オークリージャパン(東京都目黒区)で、プロのスポーツ選手らが試合中で使うサングラスの選定をサポートしている。
屋外で行う野球、ゴルフ、マラソン、スキーなどのスポーツは日差しが強いと、まぶしくてボールや周囲の景色がはっきり見えないことが多く、一流選手でもミスにつながることもある。「サングラスで日光を遮り、実力を出し切れるようにする」のが仕事だ。目の検査機をサポートカーに乗せ、選手の練習場に出向く。車の中で機械を使って、視力や目の動き方を調べる。試合中によく見えなかったり、目が疲れたりしないか、選手の話をじっくり聞く。
サングラスには目を光やほこりから守るだけではなく、目の働きを高める役目もある。レンズの種類を変えると見えやすい色が変わってくる。例えば野球は、白色がよく見えるレンズでボールを判別しやすくする。
「選手の目の調子や種目に合ったレンズを勧める」。選定を終えると、サングラスの部品を手直しして、各選手にぴったりなじむように仕上げる。
本当に選手にふさわしいサングラスかどうかは、実際の試合で確認する。「選手のどんな相談にも応えられ、頼りにされるよう、目や光について研究し、いつも選手に何が必要か、考えるようにしている」。プロの視点でプロを支えている。
◇
【プロフィル】露木慎吾
つゆき・しんご 大学ではスポーツ練習方法について学び、卒業後は体育教師に。外国選手が試合中もサングラスを使うのが気になり、オークリージャパンに入社。48歳。神奈川県出身。