□ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳
■「依存症」を振りかざすのはやめませんか
今年に入り、国会には遊技業界に関する質問主意書が提出され、答弁が繰り返されたりもしている。そのタイトルや内容に踊るのは、常に「ギャンブル依存症(のめり込み)」の文言だ。
厚労省の依存に関する調査結果の発表以降、その結果(数値)が妥当なものなのか精査されるでもなく、「ギャンブル依存症」という言葉が独り歩きし出した。これに関連する新たな団体もいくつか立ち上げられるなか、2日にはホームレス問題解決への政策提言などを行うNPO法人ビッグイシュー基金が「ギャンブル依存症問題研究会」を発足。「依存症はホームレスへの入り口だ」と言い出した。もう、自分の人生の責任はすべて棚上げにして、何でもかんでも依存症が原因だ。
こういう団体の中には、遊技業界に運営費を渡せと言ってくるところもあると聞くが、なぜそのような破廉恥な行為ができるのだろうか。依存症問題のシンポジウムなどが行われ、自らの依存経験を赤裸々に語る人がいるが、彼らが訴えたいのは「パチンコや賭博があるから依存症になった」という主張なのか。
依存症研究や治療を専門に行う権威(精神科医)に話を聞けば、「依存を引き起こす要因は他にある」。つまり、依存に走る原因を作ったものが自身のうちにある。その根本を取り除かなければ、パチンコをやめさせたところで、また別のものへの依存が始まる。このことは、実際、依存症を経験した人自身が、一番理解しているのではなかろうか。