【奈良発 輝く】鞄工房山本 こだわりの手作業でランドセル作り (1/4ページ)

2016.4.7 05:00

 子供のころに誰もが買ってもらったランドセル。昔は黒と赤の2色しかなかったが、今はたくさんの色や材質、デザインから選べるようになっており、メーカー間の競争は激化している。そんな中、奈良県橿原市の「鞄工房山本」では、50年前から変わらない手作業による丁寧なランドセル作りで人気を博している。

 ◆転機は自社販売

 1949年、先代の山本庄助さんが戦地から戻った兄とともに大阪でかばん製造業を立ち上げたのが、鞄工房山本の始まり。当時、革は配給制で、材料の仕入れすらままならなかったため数年後、比較的材料を入手しやすい奈良県に会社を移転した。その後、独学で一から技術を習得、67年に兄と離れてランドセル専業として独立した。

 先代のときは自社販売はしておらず、全て問屋に卸していた。子供の数が多かったため、「作れば作っただけ売れる状態だった」という。だが徐々に子供の数が減り、60年代に登場した安価な人工皮革を使ったランドセルが普及し始めたこともあって、売り上げは減少。山本一彦社長は「入社した78年ごろは関西で約40社がランドセルを作っていたが、今では6社ほど。厳しい状況だった」と振り返る。

 そこで社長を引き継いだ翌年の2000年に始めたのが自社販売。まだインターネットもあまり普及しておらず、ダイレクトメールを送って宣伝を試みたが、1年目は260個、2年目は320個と売り上げは不調だった。そこで、「どこにも負けないカタログを作ろう」(山本社長)と、自社のランドセルの特徴やこだわりを丁寧に解説したカタログを作成。効果はてきめんで、3年目は730個、4年目は1070個と売り上げは大幅に増加した。

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