アウン・サン・スー・チー氏と談笑する房広治氏=2012年2月26日、ミャンマー・ヤンゴンのホテル【拡大】
■下宿の大家はスー・チー氏 人生変えた
ミャンマー建国ファンドの房広治最高経営責任者(CEO)は、日本人初のM&A(企業の合併・買収)アドバイザーや著名投資家として、世界の金融市場に名をとどろかせた。現在の事業を始めたのは、友人でノーベル平和賞受賞者、アウン・サン・スー・チー氏主導の同国新政権を手助けするためだ。
--英オックスフォード大留学時代の1984年から1年余り、スー・チー氏の自宅に下宿した
「私が大学の研究所で新聞を読んでいたとき、人懐っこい笑顔で声を掛けられた。その2年後に再び声を掛けられ、下宿人第1号になりました。最近になってスー・チー氏と知り合った人からは『近寄りがたい雰囲気の彼女からは想像できない』と不思議がられます」
--なぜ、スー・チー氏は下宿を呼びかけたのか
「日本人学生はまじめで部屋もきっちり整理整頓され、夜まで騒ぐことはないだろうという理由でした。野菜中心の彼女の手料理をごちそうになり、祖国や父アウン・サン将軍の話を聞きました」