熊本地震の影響で停止していた工場で、再開の動きが出てきた。トヨタ自動車は20日、停止している全国15工場のうち、10工場の稼働を25日から順次、再開させると発表した。半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、停止している川尻工場(熊本市)を22日から一部工程で再稼働させる。サッポロビールや山崎製パンの工場も再開。一方で、再開の見通しが立っていない工場も多く、経済への影響が懸念される。
トヨタは、熊本市のアイシン精機の子会社工場が被災するなど、サプライチェーン(部品供給網)が寸断された。ドア部品などの供給が滞っているため、グループ会社を含めて15工場を停止したが、「在庫や海外を含めた代替生産により、部品の供給にめどがついた」(同社)ため、生産の順次再開を決めた。25日には、ハイブリッド車「プリウス」を生産する愛知県豊田市の堤工場などで生産を再開。28日にかけて全体の7割程度の生産ラインが動く。