サイバーエージェントSGE統括室室長の小柳津林太郎氏【拡大】
□サイバーエージェントSGE統括室長・小柳津林太郎氏に聞く
およそ15年ごとに、日本のゲーム業界は急激な方向転換を経験している。まるで予定が決められているかのように、新しい技術が定期的に既存プレーヤーを襲う。家庭用ゲーム機で市場を席巻していた巨大企業、任天堂とソニーはグリーやディー・エヌ・エーといった企業によるモバイルゲームの第一波に不意を打たれた。そして、次にこれらのモバイルゲーム企業に挑戦状を突き付けているのは、グーグルのGoogle PlayやアップルのApp Storeを通じてゲームを売る小さな制作会社だ。
◆性別、国で違う好み
小柳津(おやいづ)林太郎氏は、サイバーエージェントにおいてグループ全体のゲーム事業の方向を決めるグループ横断組織「SGE(Smartphone Games & Entertainment)統括室」で室長を務める。サイバーエージェントでゲーム開発がどのように進められるのか、そして小柳津氏はゲーム業界の未来をどう見ているか聞いた。
--サイバーエージェントはグループ関連会社が多く、ゲーム事業でもたくさんの子会社を設立していますね。どうしてでしょう
「多くはミクシィやグリーといった企業と戦略的な提携関係を結ぶために設立された会社です。ほかにも、たとえば女性ゲーマーのような特定のターゲット市場を狙うためにチームが独立して開発に当たることを目的に設立された会社もあります」
--女性ゲーマーが対象の場合、何がどう違うのですか
「ゲーム内で描かれる絵に気を使います。特に男性キャラクターの絵ですね。キャラクターの設定や見た目を決めるまでに通常よりもずっと多く時間をかけますし、キャラクター同士の会話も重要です。男性向けゲームよりもドラマチックな展開が必要です」