アサヒグループホールディングス(GHD)の小路明善社長が19日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、2015年12月期に約13%だった海外売上高比率を「18年12月期までに20%に引き上げる」方針を明らかにした。買収を決めた欧州ビールのブランドを強化するほか、主力の「スーパードライ」を欧州に投入することも視野に入れる。国内ビール市場の縮小が続くなか、海外での収益基盤を強化する考えだ。
アサヒGHDは2月、英ビール大手SABミラー傘下の老舗ビールメーカーなど4社の買収で合意した。小路社長は「アサヒグループが持つ醸造技術や生産管理のノウハウを活用し、買収した欧州ビール事業の価値を高める」と強調した。すでにプロジェクトチームを立ち上げ現地に社員を派遣した。欧州の買収先を通じスーパードライを販売することも検討する。
小路社長はアジアやオセアニアなど「すでに海外進出している地域でも事業を強化する」と述べ、北米ではスーパードライの拡販に注力する考えを示した。また、「具体的な地域など詳細は決まっていない」とした上で、ノンアルコールビールを海外で販売することも検討する考えだ。
ライバルの海外売上高比率はサントリーHDが4割、キリンHDは3割程度といずれもアサヒGHDを上回っており、買収した欧州事業を軸に海外展開での巻き返しを狙う。