8割超が「価格の安さ」を売りに経営する中小企業の現状… 非価格競争への転換を急げ (1/3ページ)

2016.6.1 15:00

 □【知恵の経営】法政大学大学院政策創造研究科教授、アタックスグループ顧問・坂本光司氏

 企業の競争力には、価格競争と非価格競争の2つがある。価格競争とは「価格の安さ」や「他社より安い…」ことをセールスポイントとした経営を意味する。一方、非価格競争とは価格の安さではない価値、具体的には「商品力」「ブランド力」「サービス力」「技術力・開発力」「オンリーワン力」「社員力」さらには「ビジネスモデル力」といったことをセールスポイントとした経営である。

 どちらの競争力が優れているかといえば、両方優れていれば「鬼に金棒」だろうが、それはそう簡単なことではない。恐らく読者の百パーセントの人たちが、「非価格競争」をあげると思われる。それもそのはず、価格競争経営は常にライバル企業と「仕事をとったとか、とられたか…」といったことに、一喜一憂した経営を余儀なくされ、その経営は常に不安定・不確実になってしまうからだ。

 加えて言えば、価格競争では値決めは自社の原価計算ではなく、常にライバル企業の価格を気にした経営をせざるを得ないばかりか、不況や円高の度に大幅なコストダウンも要求されてしまう。

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