金融庁などは、少子高齢化時代に合わせ水平合併(他地域の地方銀行同士の合併)や垂直合併(同じ地域の地銀と第二地銀や信用金庫などの合併)を進め、金融機関を減らす方針だ。その前提には、機能不全に陥っている銀行の存在があり、これがデフレを促進している認識がある。
クレジットカードや電子決済が増え、コンビニエンスストアにATM(現金自動預払機)が設置され、インターネットバンキングが可能になった今、銀行に必要とされているものはこれまでのような決済機能ではなく、審査が必要な貸し付けや運用能力でしかない。だが、自ら商品を生み出す努力もせず、保険会社や投資銀行などが生み出した商品を、割高に顧客に売りつけているのが、今の多くの地方銀行の現状なのだろう。
そのような状況の中でも、一種の既得権益として、地方銀行が地方経済に大きな影響力を維持し続けている実態もあり、これが地方経済の停滞の一つの理由にもなっているのではないか。お金は天下の回り物。社会において、お金を回すのが銀行の役割であるが、これができないのであれば地方銀行不要論が生まれてもしかたない。
◇
【プロフィル】渡辺哲也
わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は「突き破る日本経済」など多数。45歳。愛知県出身。