建築工事のイエジャパンが4月13日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
同社は山田剛社長が複数の住宅メーカーを経て、2012年に設立した新興企業で、年間の完工高は約3億円と零細規模だ。
輸入住宅の建築工事業者としてスタートし、その後、一級建築士やデザイナー、インテリアコーディネーター、施工管理技士などの従業員を採用し、業務の幅を広げていった。
徐々に工事実績を重ねていた矢先の14年11月、山田社長が車にはねられる事故に遭った。事故後の検査では明らかな異常は見つからなかったが、その後の体調不良から15年1月、精密検査を受診したところ約1カ月の入院を余儀なくされた。退院後も数カ月は通院や自宅療養となり、会社運営は当時在籍していた8人の従業員に任せっきりとなった。
そうした中、15年1月、設計部長が相場以上の金額で複数の下請業者に発注していたことが発覚。山田社長はこの不透明な取引により、2月に設計部長を懲戒解雇したが、下請業者への高額発注は14年秋頃から行われていたことが後の調査で判明した。
社長が事故に遭ったことで不正発覚が遅れ、高額発注による損失は約6000万円(申立書より)にも及ぶことがわかった。このため、14年12月期は工事原価が売上高を上回る事態に陥り、1億円を超える赤字を計上し、経営危機の文字がちらつき始めた。
不正に手を染めた設計部長を懲戒解雇したが、社内では社長が現場を離れていたことから幹部同士の意見対立も起き、15年3月に工事部長、4月にはデザインマネージャーも相次いで退職した。
現場の仕切りや下請業者とのやり取りを統括していた工事部長の退職は、経営に大きな影響を与えた。退職後、イエジャパンとの信頼感が薄れ、多くの下請業者は仕事を受けなくなり、新たな下請業者の開拓に着手しなければならなくなった。