企業の責任で健康効果を表示できる「機能性表示食品」の販売開始から1年が経過した。消費者庁に届けられたのは6月10日現在で314件に達し、飲料や加工食品など多様な商品が店頭に並ぶ。健康志向の高まりにあわせ市場は拡大する見込みだが、今後は特定保健用食品(トクホ)との違いや、機能面や信頼性などについてより丁寧な説明が各社に求められそうだ。
機能性表示食品の第1弾として昨年6月に販売を始めたのがキユーピーの「ヒアロモイスチャー240」で、肌の水分保持や乾燥緩和の機能があると打ち出した。女性に好評で同社は「1年間で定期購入者が2.9倍に増えた」と明かす。昨年9月にリニューアルされた江崎グリコの「朝食BifiXヨーグルト」シリーズや、今年2月から販売しているアサヒグループ食品の「シュワーベギンコイチョウ葉エキス」なども好調な売れ行き。
対照的に不振だったのがキリンビールのノンアルコールビール「パーフェクトフリー」だ。昨年6月に発売されたが、販売実績は年間目標の約5割にとどまった。ビール各社はノンアルビールで機能性表示食品の新商品を投入したがいずれも低迷。糖質ゼロのビールなどとの違いがはっきりせず、消費者に浸透しなかったとみられる。