
大日本印刷が公開した韓国LGエレクトロニクス製の業務用有機ELデジタルサイネージ=11日、東京都品川区(宇野貴文撮影)【拡大】
大日本印刷(DNP)は11日、高画質と薄型化を実現できる次世代の「有機EL」を使用した業務用デジタルサイネージ(電子看板)を10月に発売すると発表した。有機ELテレビなどを展開する韓国LGエレクトロニクスが製造を手がけ、DNPは高精細な4K以上の解像度にも対応した映像コンテンツを制作し、配信システムを提供する。
商業施設や駅、マンションやオフィスビルのエントランスなどに設置し、平成31年度までに売上高20億円を目指す。
これに合わせ、DNP五反田ビル(東京都品川区)のショールームに、55インチの有機ELディスプレー24面を並べたアーチ型の厚さ2・5センチのLG製サイネージを国内で初めて展示。
来場者を上から包み込むような形をし、京都の文化遺産やフランス国立図書館が所蔵する地球儀、天球儀の3次元デジタルアーカイブデータの迫力のある映像を楽しめる。
有機ELは、電圧をかけると自ら発光する材料を回路基板に付着させ、映像を映し出す。バックライトが不要で、闇を漆黒で再現した高コントラストの映像が楽しめ、薄型にしたり、折り曲げたりすることができる。このため、天井からつるしたり、柱に巻き付けたりするなど多様な展示が可能だ。
有機ELデジタルサイネージはすでに韓国仁川国際空港に導入されている。
DNPは2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、デジタルサイネージの国内市場は5千億~1兆円規模に成長すると試算。有機ELサイネージを起爆剤に需要開拓を狙う。