
実験のため成田空港に設置された異物検知レーダーシステム【拡大】
航空機の大事故につながりかねない滑走路に落ちた細かい部品を検知するため、総務省や国交省、日立製作所などが、わずか3センチのボルトも検知できる新型の高性能レーダーシステムの開発を進めていることが、1日わかった。総務省では来年度の概算要求で1億~2億円程度を盛り込んで改良を重ねる。
新型レーダーシステムは、詳細に異物検知できる90ギガヘルツ帯の電波を用いたレーダーを、500メートル置きに滑走路の両側に設置。各レーダーを高速で異物検知情報をやり取りできる光ファイバーで結んで、集中制御する。
イスラエルや英国でも滑走路の異物を検知するレーダーシステムを開発しているが、日本が開発したシステムは検知時間が10秒と、他国よりも10倍近く速い。
また、最少で3センチの異物を検知でき、他国より10倍程度、検知性能も高いという。
総務省などでは2012年から、研究を進めてきたが、基礎的な段階では技術を確立できたため、今年から成田空港で雨や雪が降った場合など、実用条件下で実験を進めている。