
訪日観光客が拡大する中、ツアーの質の担保が課題となっている=6月、東京都台東区【拡大】
観光庁は24日、訪日外国人旅行者向けに旅行商品の企画や手配を行っている「ランドオペレーター」について、旅行業としての登録を義務付ける方向で最終調整に入った。来年の通常国会に旅行業関連法規の改正案を提出する。訪日客に高額な土産物などを購入させる“ぼったくりツアー”などの悪質な旅行商品に対する監視の目を強化し、訪日旅行の安全性や信頼性を高めるのが狙い。
現行の旅行業法施行要領は、旅行業務について、旅行者と直接、契約関係を伴う業務と定義している。旅行業者からの依頼を受けて旅行先でバスやガイドを手配したり、現地ツアーを企画するランドオペレーターは旅行業の登録が必要なかったが、登録により旅行業法の定める旅行者保護や信用確保を義務付ける。法改正か施行要領改正にとどめるかは年内までに詰める。
訪日旅行では、海外の旅行会社が日本のランドオペレーターの企画する旅行商品を訪日客に提案しているケースが少なくない。ただ訪日客の急増で、無資格ガイドが免税店からのキックバックを見返りに高額な商品を訪日客に売りつけるといった悪質ツアーの被害も拡大する。現行法では無登録のランドオペレーターの実態把握が難しいなどの課題があった。
政府の規制改革会議は5月、訪日客に有償で通訳ガイドを行う通訳案内士の業務独占廃止と併せ、旅行商品の品質確保を目的にガイドを手配するランドオペレーターの業務適正化を図る制度の導入を答申した。海外では日本のランドオペレーターにあたる業務は旅行業務とみなされ法規制の対象となっている。