【埼玉発 輝く】氷川ブリュワリー 元技術者、ビール醸造で街を活性化 (1/4ページ)

2016.8.25 05:00

氷川ブリュワリー・菊池俊秀代表取締役
氷川ブリュワリー・菊池俊秀代表取締役【拡大】

  • タップからクラフトビールを注ぐオーナーの菊池俊秀さん=さいたま市大宮区のパブ「氷川の杜」
  • ビーツを使った「クラフトビーツ」

 小規模な醸造所で既存製品にはない個性を生み出す「クラフトビール」。さいたま市では初となるその工房「氷川ブリュワリー」が同大宮区にオープンしたのは2年前だ。併設するパブ「氷川の杜」も切り盛りするオーナー、菊池俊秀さん(60)は以前、光学機器メーカー、ニコンの生産技術部門の技術者だった。「ものづくりという意味で、技術者の仕事と醸造は同じ」と話す菊池さんが目指すのは、地域に根差したクラフトビールづくりで「街を活性化し、自分の街を自慢できるようにすること」だという。

 ◆脱サラ決意

 転機は2013年に訪れた。4月、大宮駅東口のロフトが撤退。エキナカ人気もあり「このままでは駅改札から人が出てこなくなる」と地元商店街などは危惧し、歩行者天国イベントなどを開いて打開策を模索した。

 その会合に参加した菊池さんの前で、「街を歩き回る目的があればいいのに」「地ビール(クラフトビール)はどうだろう」「つくるのが大変じゃないか」。そんな会話があった。

 「つくること自体は難しくない」。茨城県の酒造会社で醸造体験をしたことがあった菊池さんは助言したつもりだった。

 「なら、やってくださいよ」

 街中に小さな醸造所があり、地元企業と連携しながら地元産野菜や果物のエキスなどを使ったビールが醸され、市民たちが気軽に寄ってそれを楽しみ、会話を交わす。人と人、会社と会社がクラフトビールを通じて有機的につながっていく。「街を活性化させるためのクラフトビール工房」の構想は「最初は私一人の夢を描いていたが、みんなでそれを回し読みしていろんな意見を言ったりしている間に、みんなの夢になっていった」と菊池さん。

 「さいたま市ニュービジネス大賞2013」に応募した事業プランは「コミュニティビジネス賞」を受賞。11月に授賞式が行われ、12月にニコンを早期退職、そして14年1月に氷川ブリュワリーを設立した。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。