
外国人患者の問診を通訳する聖路加国際病院の担当者(右)【拡大】
【JAPAN style】病院受け入れ態勢整備進む
日本の先進医療を求めて来日する外国人が増えている。中でもプライバシーを守りたい裕福な中国人が日本の病院の高い信頼性と親切・丁寧な対応に注目し、日本で治療・診療を受ける医療渡航者の大多数を占める。医療ツーリズム体制の充実に取り組む政府の後押しもあって、外国人患者の受け入れに積極的な病院も増加。新たな収益源になりうるとの読みからで、両者を仲介する旅行会社も力を入れる。
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「受診した日本の病院で初めて検査内容などの説明を聞いた中国人は多く、感動して泣き出す患者もいる。だから満足度は高い」
医療渡航者を受け入れる病院をサポートする「医療渡航支援企業」に国から最初に認証された日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ)の辛●(しん)・国際医療事業部主任は、日本で医療サービスを受けたい中国人が多い理由をこう説明する。
中国の有名病院では順番待ちの長い列ができるため診療時間は数分で終わり、説明もない。にもかかわらず医療費は高いため、「中国の病院には行きたくない」という富裕層は少なくない。
EAJと一緒に医療渡航支援企業に認証されたJTBが、中国人に病院への不満を聞いたところ、1位は「医療費が高い」で、「待ち時間が長い」「医師・看護師・検査技師の信頼性が低い」が続いた。