化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の製品が特許権を侵害しているとして、富士フイルムが製造販売の差し止めと1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、「富士フイルムの特許は容易に発明でき、無効とされるべきだ」として請求を棄却した。富士フイルムは2007年、肌のしみやしわの原因を取り除く成分を配合した化粧品「アスタリフトシリーズ」を発売。同年6月に特許を出願し、12年に登録された。長谷川浩二裁判長は、富士フイルムが類似の技術を用いた商品を07年1月に発売し、成分リストがインターネットで公開されていたことから、その後出願した特許の内容には進歩性がなく、特許権を行使できないと判断した。DHCは「主張が認められ、大変満足している」とコメント。富士フイルムは「知財高裁に控訴する」としている。