腸内環境 「奥まで届く」食物繊維で善玉菌増 (1/2ページ)

帝人が試験販売しているスーパー大麦使用のグラノーラ
帝人が試験販売しているスーパー大麦使用のグラノーラ【拡大】

 ■帝人、スーパー大麦使用食品を試験販売

 帝人が豪州の食品ベンチャーと共同開発したスーパー大麦「バーリーマックス」の商品展開が軌道に乗ってきた。グラノーラやショートバーを試験販売しているほか、都内のカフェレストランでは今月からリゾットやスイーツの提供が始まった。

 帝人は、長年培ってきたポリマー解析技術やヘルスケア領域におけるエビデンス評価の知見を活用して、スーパー大麦の構造を分析。腸内環境を改善する細菌の“エサ”となる成分「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」が、消化・吸収されないまま大腸の奥まで届く可能性を示唆した。

 スーパー大麦は、豪州の研究機関が開発した非遺伝子組み換えの大麦で、一般の大麦よりも色が黒っぽく、自然な甘みがあるのが特長だ。帝人のヘルス機能性食品プロジェクトリーダーの妹脊(いもせ)和男さんは、この大麦に秘められた大きな可能性に注目した。

 その一つが腸内環境の改善効果だ。腸内にある悪玉菌は腐敗により毒素を産出し、これが蓄積すると腸壁に炎症を起こす原因となる。善玉菌を増やしたいのだが、栄養源となる食物繊維は水溶性のため、腸の途中で分解されやすい。とくに大腸の奥の部分は、善玉菌の栄養源が不足しがちで、悪玉菌が優勢な環境となり腸内環境は劣化しやすい。