風力発電向けの炭素繊維で合弁 三菱レイヨン

 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱レイヨンは20日、デンマークの炭素繊維複合材メーカーであるファイバーラインコンポジットと、風力発電用の部材を製造販売する合弁会社を10月に設立すると発表した。積層板と呼ぶ、複合材を使った風車の羽根を製造する。風力発電所の設置場所が洋上に広がり、風車の大型化が進むなか、軽量で高い剛性を備える炭素繊維の需要が拡大しているのに対応する。

 新会社は、デンマークのミゼルファールト市にあるファイバーラインの本社内に設立する。資本金は2300万ユーロ(約26億円)で、ファイバーラインが51%、三菱レイヨンが49%を出資。積層板の製造は、ファイバーラインの工場を活用する。

 三菱レイヨンは、炭素繊維で東レ、帝人に次ぐ世界3位のシェアを持つ。今月16日にはイタリアの自動車メーカー、ランボルギーニと、複合材の共同開発を検討すると発表している。