オートファジー、商品に応用 化粧品、医薬で研究開発進む

2016.10.21 05:00

ポーラがオートファジーに着目して開発した美容液「B・AグランラグゼII」
ポーラがオートファジーに着目して開発した美容液「B・AグランラグゼII」【拡大】

 大隅良典東京工業大栄誉教授のノーベル医学・生理学賞受賞で注目が集まった「オートファジー(自食作用)」を応用した商品や研究が話題だ。ポーラは加齢に伴う肌の衰えの改善が期待できる美容液を販売するほか、製薬企業も医薬品開発を目指し研究を進めている。

 ポーラによると、肌の細胞には、古くなったタンパク質を分解し、肌の弾力につながるコラーゲンなどを生み出す働き(オートファジー)がある。この仕組みは加齢で衰えるが、植物由来のアマチャエキスにこの働きを促進させる効果があることを発見した。

 2013年に発売した「B.A グランラグゼII(ザセカンド)」は、オートファジーを促すエキスや、美白成分を配合。加齢に伴う肌のしわや張り不足の減少につながるといい、7万7760円と高価ながら発売から3年で約15万個を販売した。

 同社は09年からオートファジーの研究に取り組む。広報・IR室は「受賞をきっかけに商品への問い合わせも増えている。他社がやらないユニークな研究をさらに続け、商品の独自性につなげたい」と話す。

 オートファジーを難病治療や医薬品開発につなげようとの研究も盛んだ。

 武田薬品工業によると、同社の血液がん治療薬「ベルケイド」の投薬でオートファジーが活性化しがん細胞の死滅が促される、との研究結果が12年に外部研究者によって報告されたという。

 武田は「報告をめぐっては賛否両論あるようだが、当社でも研究を続けたい」(広報担当者)としている。

 研究用試験薬メーカーのタカラバイオ(滋賀県草津市)は、研究過程でオートファジーを観察するための試験薬を製造し、国内外の研究者向けに販売する。同社関係者は「研究は小さな作業の積み重ね。受賞が地道な研究作業の追い風になってほしい」と期待を込めていた。

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