ベトナムの国営ビール事業の買収に向けた入札に、サッポロホールディングス(HD)が参加する方向で検討していることが2日、分かった。キリンホールディングスも関心を持っており、成長が続く東南アジア市場をめぐる争奪戦が熱を帯びてきた。
入札の対象はサイゴンビール・アルコール飲料総公社とハノイビール・アルコール飲料総公社で、近く手続きが始まる。アサヒグループホールディングスが入札参加を検討しており、海外ビール大手の参戦も予想され、買収総額は2000億円規模になるとみられている。
ベトナムは中間層の増加でビールの消費量が伸び、アジアの中でも収益への期待が大きい。サッポロは2011年に最大都市ホーチミンの近郊に工場を建設するなど市場開拓に注力してきた。サッポロHDの上條努社長はこの日開いた記者会見で「当たり前の選択肢として考えていきたい」と意欲を示した。
キリンは東南アジアを重点地域と位置付け、15年にミャンマーのビール最大手を傘下に収めた。これに続く買収の機会をうかがっている。
ベトナム政府は国営企業の民営化を進める一環で、保有するサイゴンビールとハノイビールの全株式を17年末までにそれぞれ売却する方針だ。ホーチミンに本拠を置くサイゴンビールは業界内で高く評価されており、入札競争で千数百億円といわれる買収額がつり上がる可能性もあるという。