ＡＩが人間超える　孫正義社長「そこにチャンス」　ファンド　財務改善と巨額投資を両立 (1/2ページ)

　ソフトバンクグループの孫正義社長は７日、決算の記者会見や説明会で、近く立ち上げる１０兆円規模の投資ファンドに関し「今後数百億円以上の投資はファンドから行う」と述べた。外部資金を活用し、同社の“弱点”とも言える財務体質の改善と巨額投資を両立させていく考えを明らかにしたものだ。あらゆる機器がインターネットでつながる「ＩｏＴ（モノのインターネット）」の関連企業に投資し、買収した英半導体設計大手アーム・ホールディングスを中心に企業連合をつくる構想も示した。（高橋寛次）

　孫社長は「大きな投資はパートナーから成功報酬をもらいながら行う。（ソフトバンクの）バランスシートは必ず改善する」と述べた。同社の有利子負債は９月末に１３兆６６００億円。アーム買収などで３カ月前から約２兆円膨らんだ。

　ファンドには今後５年間でソフトバンクが２５０億ドル（約２・６兆円）、サウジアラビアの政府系ファンドが最大４５０億ドル（約４・７兆円）の出資を行う予定で、他の投資家からも好感触を得ているという。

　孫社長はファンド設立の狙いについて、アーム買収と同じ「シンギュラリティー」を挙げた。これは、将来起こるとされる人工知能（ＡＩ）の能力が人間を超える現象で、「あらゆる事業が再定義され、ビジネスチャンスが生まれる。そのチャンスに向かって積極的に取り組む」と強調した。