
シナモンを創業した平野未来氏【拡大】
□シナモン創業者・平野未来氏に聞く
海外市場の重要性は誰もが強調するところであり、スタートアップも物事をグローバルに考えなければならないと言われる。しかし、創業当初からその目標がDNAに刻み込まれているスタートアップはほとんどない。
平野未来(みく)氏が創業したシナモンは例外だ。平野氏は東京大大学院在籍中に共同創業したネイキッドテクノロジーをミクシィに売却した経験を持つ連続起業家だ。
シナモンの中核製品であるTUYA(トゥーヤ)は3秒動画投稿アプリで、アジア市場での利用者獲得を狙う。日本人起業家によるシンガポールでの起業、ベトナムでのスタッフ採用、台湾での製品リリースの裏側に迫った。
◆投稿をシンプル化
--トゥーヤには3秒動画(リリース当初は4秒)を投稿できます。利用者はどんな動画を投稿していますか
「日常生活のひとこまを切り取った動画です。外を歩いているときの動画、電車を待っているときの動画、ごはんを食べる直前の動画など、なにげないものが投稿されます」
--ほとんど写真を投稿するようなノリで動画が共有されている
「3秒はストーリーを語るには短すぎますが、目の前で起こっている何かを見せるには十分な長さです。閲覧する利用者も注意を向けたくなります。動画アプリの多くはこれまで時間の長いムービーを撮影することをサービスの中心にしていましたが、私たちは動画投稿をシンプルにして、利用者が飽きずに見ようと思えるものにしたかったんです」