【カジノ解禁法案】観光消費てこ入れに効果も地方誘客との二律背反も

 6日のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の衆院通過で、政府は観光立国の推進に向け、弾みをつけたい考えだ。景気の足踏みが続く中、訪日外国人による需要が高まる観光分野は数少ない成長産業。国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、観光消費の活性化にも一役買う可能性が高いIRだが、効果の最大化にはきめ細かな政策運営が求められる。(佐久間修志)

 「インバウンドの目標を達成するのにプラスだ」。石井啓一国土交通相は6日の本会議終了後、IR法案の意義を強調した。

 平成25年からの2年間で訪日客数は約2千万人へと倍増し、訪日客の旅行消費額も2倍以上となる約3兆5千億円に達した。3月にまとめた観光ビジョンには32年までに8兆円に引き上げる数値目標が示された。

 しかし、7~9月の旅行消費額は前年同期比2・9%減。牽引(けんいん)していた中国人客の「爆買い」が円高や規制強化でなりを潜めているほか、食や体験型など買い物以外の消費行動にシフトしているからだ。

 こうした中、政府はカジノ整備を旅行消費活性化の切り札と期待。大和総研の米川誠主任コンサルタントは「日本国内3カ所の整備で、年間約9500億円の旅行消費押し上げが期待できる」と話す。

 一方、カジノ整備はこれまでの観光政策と相反する側面もある。政府は訪日客の地方誘致を強化しているが、カジノ誘致に前向きな自治体は大阪や横浜など都市部が多い。米川氏は「クルーズ船の寄港地との組み合わせなど、地域との親和性や地方創生も踏まえた政策にしていくべきだ」と指摘している。