日本製紙は15日、植物由来の新繊維「セルロースナノファイバー」を混ぜて強化した樹脂の実証生産設備を富士工場(静岡県富士市)に設置すると発表した。投資額は3億5000万円。年間10トン以上を生産でき、製品サンプルを取引先に提供する。2017年6月に稼働する。
東京都北区にある研究開発本部の一部機能を17年下期に富士工場に移転することも発表した。セルロースナノファイバーと新聞・印刷用紙の研究開発部門を移す。対象となる人員は計約40人。富士工場付近にはグループ会社の拠点が多く、生産現場と連携しやすくなる。
セルロースナノファイバーはポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂に混ぜることで軽くでき、強度も高められる。自動車や建材、家電産業向けにサンプル出荷して実用化を目指す。