
「風邪薬前線」のイメージ【拡大】
気温によって販売数量が変化する使い切りカイロや風邪薬といった商品の売り上げが伸び始める時期を予測し、「桜前線」のように日本地図上に複数の曲線で示す技術を、データ関連ベンチャーなどが開発した。
今年からサービスの提供を始める予定で、小売りや食品メーカーなどの販売計画立案や、販促に役立ててもらいたい考えだ。
日用品などの購買情報を分析するカスタマー・コミュニケーションズ(東京)と、気象情報を提供するライフビジネスウェザー(東京)が共同で手掛ける。両社は「商品前線マップ」と名付け、中小企業向けに有料で提供する。
スーパーやドラッグストアを訪れた客の購買情報を集積した「POSデータ」と、長期の気象予報を掛け合わせることで実現した。おでんやビール、スイカ、豆腐、制汗防臭剤など身近な商品の消費動向を地域ごとに抽出できる。
例えば、使い切りカイロは気温19度を下回ると販売が増えるといい、10月に北日本から東日本、11月には西日本へと「前線」が移動する。
風邪薬は20度を切ると売れ行きが拡大する傾向があり、9月上旬に北海道で「前線」が発生し、約2カ月かけて列島を南下する。
カスタマー・コミュニケーションズの米倉裕之社長は「大企業なら自社で綿密な販売予測を立てられるが、中小企業だと難しい。チラシを配ったり、棚に商品を並べたりするタイミングの判断材料にしてもらえたら」と話している。