住宅リノベーションでCO2減、積水ハウスと大阪ガスが実証へ 社員家族が長期居住実験 (1/2ページ)

居住実験を行っている住宅=奈良県王寺町
居住実験を行っている住宅=奈良県王寺町【拡大】

 政府は、家庭から排出される二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するため、新築住宅についてはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及に力を入れている。こうした中、地球温暖化対策の鍵を握るのは6000万戸に上る既存住宅だ。約3分の2は断熱性が著しく劣るといわれ、省エネ性が低いからだ。それを踏まえ積水ハウスと大阪ガスは、既存住宅をリノベーションしてCO2排出量のゼロとゼロエネルギー達成を実証する2019年3月までの長期居住実験に乗り出した。

 両社は11~14年にかけて共同で新築住宅を対象にした居住実験を実施。燃料電池と太陽電池、蓄電池を最適制御することによって、新築住宅でのCO2排出量を通年ゼロにすることを日本で初めて実証した。

 今回の実験は、この物件(奈良県王寺町、2階建てで延べ床面積は139平方メートル)を活用して大阪ガスの社員家族、3人が暮らしながら行う。

 リノベーションに要した費用は約2000万円。窓を真空複層ガラスに交換して、1階の床下と2階天井裏を追加することで断熱性を約12%向上させた。

 また、居室ごとの空調方式から室間の温度が小さい全館空調に変更。居住者が転居せずに工事ができる範囲で、ゼロエネルギーを目指す。

新築の実験時に比べ大きく進化した“インフラ”は…