
左からFROGMAN氏、茶風林氏、キャラクターの吉田くん、木原浩勝氏【拡大】
映像コンテンツ制作会社で「秘密結社鷹の爪」などを手掛けるディー・エル・イー(東京都千代田区)が、島根県松江市と行っているアニメーションを使った観光振興で新たな展開が始まった。小泉八雲が暮らした縁から、「怪談のふるさと松江」として怪談のアニメーションを制作・配信していたプロジェクトをパワーアップ。「サザエさん」で磯野波平を演じている声優の茶風林氏が参加した新作アニメを公開した。化粧品会社のポーラ(東京都品川区)と組んで、美肌の里としても知られる松江市をアピールするアニメの配信も始めた。
母親がいて娘が2人いる家庭で、引っ込み思案だった姉が急に同級生を家に連れてくるようになった。何か相談を受けているらしい。母親が聞くと占いが当たると信頼され、霊感があるとも言われて頼られているという。そんな姉を心配した母親は、ひとりの女性を家に連れてくる。その女性が姉に見せたものは…。
松江市に伝わる怪談をアニメ化するプロジェクトの新展開「平成松江怪談~怪し~」として、3月17日から配信がスタートした新作アニメ「指の輪」のストーリー。執筆したのは怪談蒐集家で、松江市の観光大使も務める木原浩勝氏で、取材をしたのはしばらく前になるが、「昨今、私見えるからとか、見える体質だという人が増えてきて、それは本当に良いのかと、警鐘のつもりで書きました」という。この「指の輪」を「秘密結社鷹の爪」監督で、木原氏と同様に松江観光大使を務めるFROGMAN氏がアニメ化し、そこに声優の茶風林氏がナレーションや声をのせた。
茶風林氏は怪談好きでも知られ、自ら怪談を語って聞かせる「怪し会」を10年近く続けている。その茶風林氏と怪談を通じて知り合った木原氏が、怪談のふるさととして付き合いがあったことから、松江市でも「怪し会」が開かれるようになった。木原氏はまた、FROGMAN氏と共に「平成松江怪談」のアニメ化プロジェクトも進めていたことから、茶風林氏も松江観光大使に任命され、ここに加わることになった。
3月17日に東京都内で開かれた新作アニメの発表会に登壇した茶風林氏は、「嘘をついて見えると言っていると、いつか本当に存在するものに取り込まれると諭してくれる。そういう世界観が好きで語りたくなる」と、「指の輪」や怪談の魅力を語った。