
鉄道輸送用のコンテナへの荷積み風景(YKKAP提供)【拡大】
□YKK AP 生産本部ロジスティクス推進部長・岩崎稔氏
建材大手のYKK AP(東京都千代田区)は、「商品」「モノづくり」「物流」それぞれの領域で進める温暖化防止策を通じ、全社を挙げて低炭素・循環型社会の実現を目指している。なかでも国内物流部門は商品・資材輸送の多様化に取り組み、トラックからより二酸化炭素(CO2)低減効果のある鉄道貨物に切り替えるモーダルシフトをいち早く導入した。生産本部の岩崎稔ロジスティクス推進部長は、出遅れている業界のモーダルシフトの現状を踏まえ、「今後は船舶による輸送も積極的に組み入れ、業界に風穴を開けたい」と意欲をみせる。
◆CO2を6割削減
--モーダルシフト導入の経緯は
「温暖化防止に向けた全社的な取り組みの中で、物流面でのCO2排出量低減が課題に上がった。加工工場を含め全国に25カ所の生産拠点があり、最終的な商品はもとより、部品・資材の大半はトラック輸送に頼っていた。そこで着目したのが鉄道貨物輸送への切り替えだった。鉄道貨物輸送は荷姿の大きさや時間面での制約はあるにしても、コストパフォーマンスは最も高く、CO2排出量低減効果が期待できると判断した」