
インタビューに答えるエーザイの内藤晴夫CEO=18日、ジュネーブ(共同)【拡大】
エーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は20日までに、世界規模で進める熱帯病制圧プロジェクトにより、アフリカなどに蔓延(まんえん)する「リンパ系フィラリア症(象皮症)」を2028年までに撲滅できるとの見通しを示した。共同通信のインタビューに答えた。
内藤氏は、目標とする20年までの制圧は難しいものの、「完全に撲滅するまで支援を継続する」と言明した。リンパ系フィラリア症は蚊が媒介して感染。患者に足や生殖器が肥大化する障害が出るため、アフリカ・東南アジアなどで長年、多くの人を苦しめてきた。
エーザイは無償で治療薬を提供しており、20年までに22億錠に上る見通し。アフリカ諸国で治療薬の集団投与が効果を上げていることから「24~28年には撲滅できるだろう」とした。
プロジェクトを通じて病気がなくなれば「多くの人が仕事に就いて一定の所得を得ることができる」と、経済発展につながるとの見方を示した。
プロジェクトは世界保健機関(WHO)主導で12年に開始。ドイツのバイエルや米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの製薬大手が参加し、「ハンセン病」「アフリカ睡眠病」など計10疾患の制圧を目指している。内藤氏はジュネーブで開かれたプロジェクトの会合に参加した。(ジュネーブ 共同)