三菱東京UFJ銀行など大手3銀行が、過剰な貸し付けが社会問題になっているカードローンについて、自主規制の強化に乗り出したことが27日、分かった。
融資の上限額の引き下げや行き過ぎた広告の自粛で、利用者の返済能力を超える融資を抑制する。
低金利による収益悪化に悩む銀行は、高い金利が設定できるカードローン事業の拡大を進めてきたが、多重債務の温床になるとの批判が強まっている。大手行が対策強化を打ち出したことで、地方銀行も対応を迫られそうだ。
みずほ銀行はカードローンの融資額の上限を引き下げた。従来は他の銀行や貸金業者からの借り入れを含めて利用者の年収の2分の1まで貸していたが、3分の1に変えた。
三菱東京UFJも融資上限を下げる方針。消費者金融などは貸金業法の規制で原則として利用者の年収の3分の1までしか融資できないが、銀行には制限がなかった。利用者の返済能力を正確に把握するため、年収証明書の提出を求める基準も厳しくする。
三井住友銀行は証明書を求める融資額の基準を「300万円超」から「50万円超」とした。三菱東京UFJとみずほも現在の「200万円超」から下げる見通しだ。
広告の自粛では三菱東京UFJが、早朝など子供が視聴する可能性が高い時間帯はカードローンのテレビCMを流さないようにする方針を決めた。
全国銀行協会は3月、審査体制の強化などを盛り込んだ申し合わせをまとめた。しかし、日弁連が「内容が抽象的で、具体的かつ客観的な基準としての効果は期待できない」と批判していた。